2025年8月12日(火曜日)

相続放棄をされた場合、特殊清掃費用は大家が払うって本当?孤独死保険や手軽にできる対策を紹介


高齢化が進む中で「孤独死」は今、社会問題として注目されています。

特に賃貸住宅での孤独死は、大家さんや管理会社にも大きな影響を与える深刻な問題です。

亡くなってから発見までに時間が経過した場合、その部屋には「特殊清掃」が必要になることがほとんどですが、「相続放棄をされた場合」、もしくは「相続人がいない場合」その費用は一体誰が払うのか?

と考えたことはないでしょうか?

本記事では、「相続放棄があった場合、特殊清掃費用は大家が支払うのか?」という疑問に答えます。


また、孤独死保険をはじめ、大家さんができる手軽な対策についても紹介します。




まずは基本のルールを確認しましょう。

特殊清掃費用の支払いは、原則として亡くなった人(賃借人)の財産から支払われます。

特殊清掃費用は、「故人の負債」として扱われますので、相続財産を使って相続人が負担するのが一般的です。

しかし、故人に財産がほとんどないとなれば、相続放棄を考える人もいるはずです。

その場合、どうなるのか順番に説明していきたいと思います。


まず相続放棄とは何かを正しく知ることから始めましょう。

◆◆ 相続放棄(そうぞくほうき) とは ◆◆
亡くなった人(被相続人)の財産を「一切引き継がない」と法律上で正式に宣言する手続きです。
相続放棄を行うと、最初から「相続人ではなかった」とみなされます。

※被相続人が亡くなったことを知った日から 3か月以内 に、家庭裁判所に申し立てが必要です。

なぜ相続放棄をするの?


相続と聞くと「財産をもらえる」と思いがちですが実際には…

◆借金(負債)
◆連帯保証
◆価値のない不動産や問題物件
◆孤独死や事故物件による清掃・原状回復費用(特殊清掃費用)

など、「マイナスの遺産」もすべて相続対象になります。

これらを避けたいときに、相続放棄を選ぶというわけです。


なお、法定相続人は下記のような順番で相続権が移ります。

<法定相続人の順位>
■配偶者

■子

■親

■兄弟姉妹



では、ここからが本題です。


<例>
賃貸住宅で孤独死が起きたが、故人に財産がほとんどなかったため、遺族(相続人)が全員相続を放棄した(相続人不在)


この場合、特殊清掃費用は誰が払うのでしょうか?


それは、


大家(家主)が負担する

ことになる可能性が高いです。
※ただし、敷金や家財の売却などで回収されるケースもあり


しかし、大家(家主)に支払い義務はあるのでしょうか?


実際には、法的に大家が必ず払わなければいけないわけではありませんが、清掃やリフォームをせずには、新たに部屋を貸すことができませんし、孤独死現場を放置すればするほど、「臭い」、「害虫の発生」は広がるばかりです。


近隣からのクレーム、物件の評価下落などを考えれば、たとえ費用を負担してでも、早急に清掃・修繕対応を進めるというのが現実です。

孤独死の備えと対策

このようなリスクを避けるために、最近は大家さんが「孤独死保険」を導入するケースが増えています。
その他にも大家さん側が手軽にできる孤独死対策をまとめましたので、ぜひ参考にしてください。



孤独死保険(孤独死対応保険)とは


賃貸物件で入居者が「孤独死」や「自殺」などの異常死をした場合に、
オーナー(大家)が被る 経済的損失を補償する保険のことです。


補償内容は、保険会社によって異なりますが、一般的には次のようなものがカバーされます

■特殊清掃費用
遺体の腐敗による汚染・臭いの除去や消毒・清掃にかかる費用

■原状回復費用
汚れたクロス、床、壁などの修繕・交換費用

■家賃損失(空室期間の補償)
次の入居者が決まるまでの家賃収入の一部を補償

■残置物処分費用
故人が残した家具・家電・日用品などの廃棄処分費用

など

保険料についても保険会社やプランにより異なりますが、一戸あたり年間数千円〜1万円前後のものが多いです。


オーナー・管理会社側ができる対策


その他、オーナー(大家)側ができる方法としては、下記のようなものがおすすめです。


■スマート家電、電力センサー付きコンセントなどIoTを活用
コンセントや電力使用状況を検知して、一定時間使われていないと異常を通知してくれるものです。

月額数百円~のものもあり比較的導入しやすいのではないでしょうか。

■高齢者見守り支援サービスを利用
自治体や民間団体が提供する見守り支援サービスを活用するのもおすすめです。
配食サービス、郵便配達と連動した見守りなどがあります。
オーナーが契約する必要はなく、入居者に紹介・推奨するだけでもOK。

■入居時の情報収集を強化
基本的ですが、緊急連絡先を複数取得するのはとても大切です。
可能であれば、成年後見人や親族との関係性も確認しておきましょう。
単身・高齢の入居者に関しては、契約時に孤独死時の取り決めを契約書や覚書に含めておく方がよいでしょう。

■室内設備を工夫して安全性を向上
転倒防止の床材や手すり設置など、室内の安全に配慮することも対策のひとつです。
事故防止ができれば、孤独死リスクの低下につながるはずです。

特殊清掃 クリーンメイト

本記事では、相続放棄をされた場合、特殊清掃費用は大家が払うって本当?孤独死保険や手軽にできる対策を紹介という部分に焦点を当てて解説しました。

【内容まとめ】
・孤独死現場の特殊清掃費用 支払いの原則:亡くなった人(賃借人)の財産から支払う
・相続放棄(相続人不在)で、故人に財産がない場合 実務上大家が負担せざるを得ない
・賃貸オーナーができる孤独死対策 孤独死保険
・その他、見守りIoT機器や高齢者向け見守り支援サービスの活用等


特殊清掃を行う際、まずは故人に対する供養の気持ちを大切にしていただきたいと思っております。

お悩みでしたら、プロである私たち業者にまずはお気軽にご相談くださいませ。

現在悩まれている方にとって本記事の内容がお役に立てれば幸いです。

最後までご覧いただきありがとうございました。