
孤独死や事故死、事件現場など、通常の清掃では対応が難しい特殊に対応する「特殊清掃」。
体液や血液、腐敗液などによって汚染された部屋を原状回復するための専門的な清掃作業ですが、一般的にはまだまだ知られていない分野なのではないでしょうか。
この記事では、特殊清掃の具体的な作業内容から、業者選びのポイントまで、初めての方にもわかりやすく解説します。
大切な空間と心のケアのために、正しい知識を身につけましょう。
特殊清掃の作業内容

特殊清掃業者が行うのは主に以下のような作業です。
■消毒・除菌作業
特殊清掃(孤独死・吐血・自殺・殺人現場など)の現場では様々な感染物質が浮遊充満しています。作業をおこなう前にしっかりと消毒を行い感染症などのリスクを低減します。
引渡し前にも再度消毒を行い、より「衛生的に安全な空間」に仕上げます。
■害虫駆除
特殊清掃の現場では、遺体の腐敗により発生した体液や腐敗物に引き寄せられて、ハエ・ウジ・ゴキブリ・ダニなどの害虫が大量に発生していることが多いです。
害虫の発生源を特定し、専用の薬剤を使って一斉に駆除し、死骸の回収や消毒、再発防止のための清掃・脱臭作業を行います。
必要に応じて、防虫処理を何度か繰り返すこともあります。
■汚染物の除去
床や布団、家具、家電、カーペット、畳など体液や血液、腐敗液などによって汚染された物を部屋から搬出します。
これらの汚染物質を梱包せずに迂闊に外部へ漏らしてしまうと、近隣住民の方へ二次感染してしまう恐れがありますので、しっかりとした手順で安全に除去洗浄・梱包する必要があります。
■汚染箇所 部分解体
体液を拭き取ったフローリングやクッションフロアなどは表面上きれいに見えても、目地や割れ目を通じて床下などへ浸透している可能性があり、放っておくと臭い戻りの原因となってしまいます。
必要最低限の部分汚染箇所を解体することで臭いの元を除去し完全消臭を目指します。
■特殊ルームクリーニング
孤独死現場などでは遺体から発生したタンパク質性の腐敗臭が蒸発し部屋中の建材に付着します。建材を傷めず対象物に直接アプローチできる特殊洗剤を使い分け、臭気物質を洗浄します。
■消臭・脱臭作業
特殊清掃において非常に重要な工程が消臭・脱臭です。
遺体の腐敗によって生じる強い臭いは、通常の換気や消臭剤では取り除くことができません。
オゾン脱臭機等の機材や専用薬剤を使用して、臭いの元にアプローチします。
臭気は壁紙や床材、エアコンの内部などにも染み込んでいる場合があるため、必要に応じてそれらの撤去や分解洗浄も行われます。
■原状回復
最後に行われるのが原状回復作業です。
汚染箇所の解体や除去によって損傷した部分を修復し、可能な限り事故・事件発生前の状態に戻します。
具体的には、壁紙や床材の張り替え、塗装、簡易リフォームなどを行います。
特殊清掃Q&A

ここからは、特殊清掃にについてより深く理解するために、よくされる質問に答えていきましょう。
Q1. 費用はどれくらいかかりますか?
A1.
作業内容・部屋の広さ・汚染の程度によって異なりますが、
軽度の場合で数万円、重度の場合は10万円以上かかると思います。
Q2. すぐに来てもらえますか?
A2.
多くの特殊清掃業者は24時間365日対応しており、急な依頼でも即日対応可能してくれます。
特に夏場などは腐敗が進みやすく、早急な対応が必要な場合が多いため、できるだけ早めの連絡が重要です。
Q3. ニオイは完全に消えますか?
A3.
特殊清掃では、オゾン脱臭機や専用の薬剤を使用して徹底的に消臭作業を行います。
ニオイの原因が建材に染み込んでいる場合には、床や壁の一部解体・交換が必要になることもありますが、ほとんどのケースで生活に支障のないレベルまで消臭が可能です。
Q4. 保険は使えますか?
A4.
火災保険や家財保険が適用される場合があります。
「孤独死による原状回復費用」が対象となる特約がついているケースもありますので、加入中の保険を再確認しましょう。
Q5. 見積もりだけでも大丈夫ですか?
A5.
はい、見積もり無料の業者が一般的です。
強引な営業をする業者も中にはあるため、複数社を比較して信頼できるところを選ぶのがおすすめです。
信頼できる業者の見極め方を知ろう
では、実際に業者を選ぶときはどうすればいいのでしょうか?
最近は「特殊清掃」の需要が高まる一方で、残念ながら中には質の低い業者や、悪質な対応をする業者も存在します。
信頼できる業者を見極めるためのチェックポイントをまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
まず、前提として
!!! 最低3社以上から見積もりを取得すること !!!
!!! 電話だけの見積りは避け、必ず現地訪問による見積りを依頼すること !!!
を忘れないでくださいね。
■事前準備
ホームページや口コミをチェック
□具体的な会社概要(会社名、代表者名、住所、電話番号等)が明確に公開されているか
□施工事例や実績が掲載されているか
□実店舗や事務所が実際に存在し、訪問可能であるか
□固定電話があるか(携帯電話のみの業者は要注意)
□口コミサイトの評判は悪くないか
許認可の確認
□必要な許可を取得しているか
□ホームページ等で許可票が公開されているか
※エアコンやウォシュレットなどを取り外す場合 → 電気工事士の資格が必要
※リフォームや解体をする場合 → 内装仕上工事業・塗装工事業の許認可必要
※買取サービスを利用する場合 → 古物商許可が必要
※一般廃棄物収集運搬許可もしくは産業廃棄物収集運搬業許可を取得しているか
■見積もり
見積書の内容確認
□項目別の明細が明確か 「人件費」「清掃作業費」「脱臭・除菌作業費」など、
□追加料金の発生条件が記載されているか
□作業内容に対して料金が適切か ※極端に安い・高い見積もりには注意
支払い条件の確認
□支払いのタイミングや方法を確認 作業前払いか後払いか、現金・振込・クレジットカード等
□キャンセル料についての確認 いつから発生するのか(例:当日キャンセルは全額)等
スタッフをチェック
□担当者の身だしなみや言葉遣い
□説明の丁寧さと分かりやすさ
□質問への的確な回答
□心情への配慮はあるか
■契約前に確認
契約前に確認
□作業中のトラブル対応方針
□損害保険加入の有無
□アフターフォローの確認
□クレーム対応の方針
□処分証明書発行の有無
いざ、特殊清掃が必要な状況になると、突然のことで冷静さを失ってしまうことでしょう。
ですが、できるだけ落ち着いて、信頼できる業者をしっかり選ぶことが大切です。
特殊清掃のことならクリーンメイトに

本記事では、特殊清掃ってどんなことをするの?内容から業者の選び方まで特殊清掃の基本を解説という部分に焦点を当てて解説しました。
【内容まとめ】
・特殊清掃の主な作業内容
・よくある質問(Q&A)
・信頼できる業者選びのポイント
特殊清掃を行う際、まずは故人に対する供養の気持ちを大切にしていただき、家族や親族にとって一番いい方法を取ってもらいたいと思っております。
お悩みでしたら、プロである私たち業者にまずはお気軽にご相談くださいませ。
現在悩まれている方にとって本記事の内容がお役に立てれば幸いです。