孤独死は、近年日本において増加傾向にあり、社会問題にもなっています。
孤独死遺体を発見したときは、焦らず適切な対応をすることが大切です。
今回は、孤独死清掃の現場や状況、特殊清掃の流れから業者選定のポイントまでを解説します。
もし、自分の周りで孤独死が起きても、素早く適切な対応が取れるように。
この記事を読んで、孤独死現場の理解を深めていただければ幸いです。
目次
孤独死者の数は増え続けているって本当?
実際のところ、孤独死をする方はどのくらい存在するのかをご存じでしょうか?
結論から言いますと、孤独死者数は年々増加傾向にあります。
例として、大阪府警察の調査結果を見てみましょう。
大阪府内で2022年に孤独死した人は、死後2日以上で2,996人、1カ月以上で382人でした。
年齢別では、70代が1,029人と最多で60代が684人、80代が572人と続きます。
性別では男性が2,213人で女性の約3倍となっており、割合的には男性の方が多いようですね。
居住状況別では、単身世帯が2,789人で、同居世帯が207人でした。
発見者別では、近隣住民が1,722人で、親族が629人、友人・知人が645人で、やはり近隣住民の方が臭いで気付くケースが多いとされます。
発見起因別では、死亡から発見までの期間が「4日以上7日以内」が1,605人で、最も多く、次いで「7日以上1カ月以内」が743人、1カ月以上が648人でした。
では、過去5年間の孤独死者数を見てみましょう。
上記のグラフを見て分かるように、2018年~2022年の間に死後2日以上で52.7%、1カ月以上で58.4%増加しています。
孤独死は、近年日本において深刻な社会問題となっていることが分かりますね。
孤独死現場の状況
孤独死現場は、遺体の腐敗や体液の汚れによって、非常に不衛生な状態になっています。
また、害虫が発生している可能性もありとても危険な状態です。
遺体の腐敗が進むと、以下のような状態が現れます。
- ・腐敗臭
- ・体液の漏れ出し
- ・ハエやウジ虫などの害虫が発生
- ・遺体の腐敗によるガスが発生
これらは、遺族や近隣住民にとっても大きな負担となります。
人体への影響があり危険な状況
遺体の腐敗臭
遺体が腐敗すると、強い腐敗臭が発生します。
この臭いは、周囲に広がりやすく、近隣住民や通行人の迷惑となりトラブルの発生にもなり得ます。
また、遺族にとっては、故人の死を受け入れ辛くなる要因にもなります。
体液の漏れ出し
遺体が腐敗すると、体液が漏れ出します。
この体液には、細菌やウイルスが含まれているため、感染症のリスクがあります。
また、床や壁、家具などに汚損を与え、清掃が困難になります。
ハエやウジ虫の発生
遺体が腐敗すると、ハエや蛆虫が発生します。
これらの害虫は遺体をさらに腐敗させ、悪臭を発生させます。
また、そのまま放置しているとその他の害虫を引き寄せてしまい、近隣への二次被害を引き起こす可能性があります。
腐敗ガスの発生
遺体が腐敗すると、ガスが発生します。
このガスは、頭痛やめまいなどの症状を引き起こす可能性があります。
また、爆発の危険性もあるため注意が必要です。
孤独死現場は、処置までの時間が長くなればなるほど、室内環境が悪くなっていきます。
もし孤独死現場を発見した場合にはどうすればいいのか、次の項目で通報から特殊清掃の流れを解説していきます。
通報から特殊清掃までの流れ
孤独死現場の清掃は、特殊清掃業者に依頼することをおすすめいたします。
私たち特殊清掃業者は、遺体の腐敗や体液の汚れなどの特殊な清掃技術を有しています。
どうしていいから分からない時には、迷わずすぐに相談してみてくださいね。
では、警察への通報から特殊清掃まではどんな流れで進んでいくのかを下記に解説していきます。
1.警察による現場検証と検死
まず、孤独死現場を発見した場合は、警察へ110番通報をしましょう。
・亡くなった方の様子
・発見した日時と経緯
・周囲の状況
基本的なこの3つの情報を整理して、できるだけ具体的に事実を伝えてください。
このとき、警察からの質問には正確に答えて、どうすれば良いか指示を仰いでくださいね。
その後、通報によって現場へ到着した警察による現場検証が行われます。
この時に注意すべき点は、通報後も室内へ入らないことです。
孤独死の場合、どんな状況で故人が亡くなったのかが分からないので、詳しく調べる必要があるのです。
「殺人」「事故死」「病死」「衰弱死」「自殺」など、死因が判明するまではむやみに部屋へ入ることができません。
警察による検死の結果、死因や死亡推定日時が判明した後に入室許可が下りれば室内へ入ることができます。
2.遺体の引き取り
警察の調査が終わり、次は警察から遺体の引き取りについてを聞かれます。
この遺体の取り扱い方には2種類あります。
遺体を引き取り自分たち(葬儀社)が火葬を行う場合と、引き取りを行わず地方自治体によって火葬してもらい、遺骨を受けとる場合の2パターン。
通常であればご遺体は自分たちで引き取り、自宅もしくは葬儀社へと移動します。
しかし、孤独死の場合には遺体が腐敗してしまっている為、通常の扱いとは異なる場合がほとんどです。
腐敗の進み具合によって変わる場合もありますが、孤独死の場合はそのまま火葬場へ移動して火葬を行います。
2パターンの違いを挙げるならば、下記のような違いがあります。
・葬儀社へ依頼して遺体を引き取る場合は、火葬からお骨上げまで関われる
・遺体を引き取らず地方自治体に頼む場合は、火葬後の遺骨を受け取る
また補足として、腐敗が進んだ遺体を取り扱ってくれる葬儀社でなければ対応してくれませんので、葬儀社を生前に決めていた場合でも事前に聞いてみましょう。
3.特殊清掃業者へ見積りを依頼
警察の検証が終わり、入室許可が下りたら特殊清掃業者へ見積りを依頼しましょう。
孤独死の場合、腐敗の進み具合によっては急ぎ処置をしなければならない場合もありますので、できるだけ早く現地見積りを取ってもらうようにしてください。
日程に空きがあれば即日でも対応が可能となる場合がありますので、今日でも見積りは可能かどうか聞いてみるといいでしょう。
特殊清掃業者は、専門の知識と技術を持ったプロの人たちです。
遺体の腐敗による体液の汚れなどの清掃や臭いを取り除く作業を行います。
身内が孤独死となり不安に思う方がほとんどだと思いますが、「どうしていいか分からない」と悩んだ時はすぐに相談してみましょう。
急な事で費用面でも心配になることでしょう。
そんな時は問い合わせ時にある程度の状況を伝えておくと、大まかにどれくらいの費用感になるのかを教えてもらえる可能性があります。
正確な費用は実際に現地へ向かって見積りを行う必要がありますが、事前に概算での金額が知りたい場合は早めに相談してみてくださいね。
4.特殊清掃
見積りの内容を確認して納得がいくものであれば、できるだけ早い日程で特殊清掃作業を行ってもらえるよう依頼しましょう。
特殊清掃が必要な状況であれば、そのまま放置しておくと室内の環境が悪くなり、臭気が外部へ漏れてしまい近隣の方にも迷惑が掛かってしまいます。
また、作業を実施する日程に自身が現地に向かえない場合は、見積り時に鍵の受け渡しを行っておくとスムーズです。
ここで一つ注意点として、残しておいて欲しいもの(貴重品など)があれば事前に伝えておきましょう。
手続きに必要な書類や通帳・印鑑や、ほかの家族が希望する品をリストに出して、業者へ伝えてみてくださいね。
※クリーンメイトでは、特殊清掃・遺品整理を実施中に発見された貴重品(有価物含む)は自動的に作業終了まで保管し、発見されたらその都度お客様へご報告して作業後に必ずお渡しさせていただいております。
5.遺品整理
特殊清掃後は遺品整理を行います。
清掃・消毒を済ませたら、ここからは親族の方が入室しても大丈夫です。
清掃後に室内の様子や遺品が見たい場合は、遠慮なく業者へ伝えてください。
しかし、汚染箇所の清掃が終わったとはいえ、室内の遺品には雑菌がついていたり、腐敗によって沸いた虫がいる場合があります。
特殊清掃後にご家族が入室する時には必ずマスクや手袋を着用しておきましょう。
また、体液だけでなく臭いや雑菌が付いてしまっている遺品がほどんどの為、保管できる遺品とそうでない遺品が存在します。
数に期待はできませんが、その遺品が保管できるものかどうか、業者に聞いてみるのがおすすめです。
6.消毒・消臭作業
特殊清掃・遺品整理の作業が終われば、再度室内の消毒をおこない、消臭作業を始めます。
専門の業者は、体液による汚れや度合いに応じて薬剤を使用するので、臭いの元から除去することが可能です。
一般の方が使う洗剤では、臭いを完全に取ることはできません。
悪臭が残ったままだと近隣の方へ迷惑が掛かってしまう恐れがあるので、特殊清掃を専門に行うプロに任せることをおすすめいたします。
作業後には室内の確認と臭いが消えているかを確認するため、実際に立会いの上お部屋の引き取りを行うようにしましょう。
この時、お部屋の鍵や室内から見つかった貴重品等を受け取ることをお忘れなく。
7.現場復旧(リフォーム)
遺体が発見されるまでの期間が長かったり、室内の環境が悪く腐敗の進みが早ければ、床や壁に体液が染みつく場合も。
その場合はリフォームが必要となるでしょう。
このリフォーム作業では、壁のクロスや床のCF(フローリング等)・備品等の張替え工事を行います。
どこまでの作業ができるかどうかは業者によって異なりますが、特殊清掃から復旧までトータルで作業してくれる業者へ依頼するのが一番おすすめです。
清掃とリフォームを別々で依頼するよりも、一緒の方がコストを抑えられます。
特殊清掃業者選定のポイント
特殊清掃業者を選ぶ際には、以下の4つのポイントに注意しましょう。
- ・実績や経験が豊富な業者を選ぶ
- ・特殊清掃業者を数社選定して、相見積もりを取る
- ・素早く対応してくれる業者を選ぶ
- ・作業内容や費用を明確にしてくれる業者を選ぶ
どうしても「早く依頼しなければ」と思ってしまうのですが、残念ながら中には悪質な業者も存在します。
弊社へご依頼いただいた方には、一度他業者へ依頼したものの見積り時に言っていた作業が行われておらず、全く消臭がされていなかったというケースがありました。
さらには、作業後に追加で請求を掛け、ここから先は別料金になるとの1点張りだったそうです。
困ったご依頼者様は弊社クリーンメイトへご相談いただきました。
その際に聞いて驚いたのは、その業者が提示してきた追加金額も高かったことです。
サービスの質が悪い上、身内が亡くなったばかりのご依頼者様へ不当な高額請求をするなんて、もってのほか。
こういったケースも多々存在しますので、必ず一社以上に相見積もりを取るなど、業者の選定には注意が必要です。
本コラムの第1章でも解説した通り、孤独死者数は年々増加傾向にあります。
遠い話ではなく、私たちの身近にも起こりうる問題です。
孤独死遺体を発見したときは、一人で悩まず、専門家に相談しましょう。
また、孤独死を防ぐために、日頃から身近な人と交流を深めることも大切です。
いざという時にすぐ対応できるよう、今からあらかじめ業者を選定しておくのも良いかもしれませんね。
孤独死の特殊清掃はクリーンメイトにご相談ください!
本コラムでは、孤独死の特殊清掃までの流れをご紹介しました。
孤独死が発生した場合、様々な雑菌や害虫が発生してしまい、悪臭が近隣の方へ被害が及ぶ可能性が高くなります。
そのため、孤独死が発覚したらできるだけ早く業者へ依頼する必要があります。
クリーンメイトは2,000件以上の実績を誇りながらも、やり直し・クレーム等は現在まで一度もありません。
作業にあたるスタッフは、感染予防の知識や汚染箇所洗浄の経験を積んだスタッフばかり。
関西エリア一円で特殊清掃、遺品整理、生前整理およびリサイクル品回収・買取、ゴミ屋敷片付け、法人向けサービスなども行っています。
また、関東・東海エリアやその他エリアにも対応可能です。
事件現場特殊清掃士・トラウマシーン臭気に関する知識と悪臭の分析方法を熟知したJRESの有資格者が作業を行っております。
特殊清掃・遺品整理から現場復旧まで、安心して作業をご依頼していただくことができます。
24時間年中無休対応(相談・お見積り無料)となっており、お電話以外にも、問い合わせフォーム(メール)やLINEからも可能ですので、お気軽にお問合せくださいませ。
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