2024年3月14日(木曜日)

ペット飼育OKな物件の原状回復費用は保険適応されるの?保険の種類と自己負担になる原状回復費用の範囲・相場を解説!

ペット飼育OKな物件の原状回復費用は保険適応されるの?保険の種類と自己負担になる原状回復費用の範囲・相場を解説!


ペット飼育可物件にお住まいの方々は、退去時に原状回復の問題に直面することが少なくありません。

特に、ペットによる損害は保険が適応されるのか、という点も気になりますよね。

しかし、適切な情報と準備をしておくことで、原状回復にかかる予想外の費用負担を最小限に抑えて乗り越えることが可能です。

本記事では、ペット飼育可物件の原状回復費用には保険が適応されるのか、そして自己負担の範囲や費用の相場まで解説していきます。




ペット飼育可物件の特徴と原状回復の基礎知識

ペットを家族の一員として迎え入れる際、一緒に住む場所を選ぶことはとても重要。

ペット飼育可物件とは、賃貸契約の条件としてペットの飼育を許可している住宅のことを指します。

しかし、この許可には条件が伴い、特に退去時の原状回復に関してはペットオーナーが把握しておくべき重要なポイントがあります。

ペット飼育可物件の特徴



ペット飼育可物件は通常、床材や壁紙などペットによる損害が発生しやすい部分に耐久性のある材料を使用しています。

また、物件内でのペットの行動に関するルールが設けられていることも。

これらの条件は、物件を管理する側と住む側の両方にとって、予期せぬトラブルを避けるために設けられています。


入居時の契約書などにもペット飼育に関する項目が書かれている場合が多いですが、同時に退去時にはどのような状態で引き渡すべきかも記載されているはずです。

もし分からないことがあれば、管理会社や大家さんに聞いてみてくださいね。



大前提にペット飼育可でない賃貸物件での飼育はNG



賃貸物件や集合住宅では、ペット可物件が増えてきてはいるものの、まだペット飼育が禁止されているところがほとんど。

もし、あなたが住んでいる物件がペット不可ならば、こっそりペットを飼育することは絶対にやめましょう。


バレないように飼育しているつもりでも、飼っていない人からすると鳴き声や臭いですぐに分かります。

賃貸物件の契約内容にもよりますが、ペット飼育が禁止されている物件でバレてしまった場合、違約金や原状回復費用を支払わなければなりません。

それだけでなく、ペット飼育ができる他の物件に引っ越さなければならなくなり、その分の費用もまた掛かってしまいます。


ペットと過ごす日常はとても幸せなものではありますが、一緒に過ごすペットのためにも、飼育可物件を選ぶようにしてください。


  原状回復の法的な枠組み



日本の法律では、賃貸物件の退去時には「原状回復」が義務付けられています。


”「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」”

参照元:『原状回復をめぐるトラブルとガイドライン』より|国土交通省



これは借りていた物件を借りた時の状態に戻すことを意味しています。


国土交通省ガイドラインによると、通常使用による損耗や経年劣化においては、不動産屋やオーナー・大家さんが負担することとなっています。

また、故意もしくは過失による破損や劣化については、借主側が費用を負担することになります。


不動産屋・オーナー・大家負担通常使用の損耗や経年劣化
借主側負担故意もしくは過失による破損や劣化

しかし、ペットによる損害に関しては、その範囲や費用について賃貸契約や物件の規約によって大きく異なることがあるのです。

例えば、ペットの爪による床や壁の傷、ペットの臭いが染み付いた部分の清掃や消臭などが含まれることが多いでしょう。


  ペット飼育が原状回復に与える影響



ペットを飼育することで発生する損害は、一般的な生活での使用による損耗とは違い、賃貸契約に基づく原状回復の範囲を超えることがあります。

そのためペット飼育可物件では、通常よりも厳しい原状回復の基準が設けられることが一般的です。

ペットオーナーは契約時にこれらの条件を理解し、ペットによる損害を最小限に抑えるための対策をしておく必要がありますね。




お部屋の原状回復においてペットによる破損で使える保険はある?

保険会社が販売しているペット保険とは、主にペットのケガや病気(通院・入院・手術)の補償が対象となっています。

通常、借主側が原状回復で保険適応される可能性が高いのは火災保険でしょう。

しかし、基本的にペットによる破損・汚損の原状回復に特化した保険というものはありません


ペットによる破損に関しては基本的に火災保険の対象外



賃貸物件において、借家人が火災保険に加入することが一般的です。

火災保険というものは、実際には火災だけでなく様々な被害の補償をする多目的な保険となっています。


火災保険の適応範囲は下記の通りです。


火災保険の適応範囲

・火災や爆発
・水漏れ
・台風
・地震
・盗難
・落下物や飛来物による破損
・通常使用による破損や汚損

上記の内容のように、火災保険はあくまでも『予測できないような突発的な損害を受けた場合』に保障されるもの。

したがって、通常はペットによる日常的な破損や汚損に関しては火災保険の補償対象にはならないのです。


しかし、原因(内容)によっては火災保険で補償されるケースもあります。

※個人賠償責任特約を付けることで補償される場合もある


  ペットによる破損・汚損が補償対象となる保険



ペットによる日常的な破損や汚損に関しては火災保険の補償対象にはならない、とお伝えしていました。

しかし、保険会社によっては補償対象となる場合もあります。


補償対象となる可能性があるのは、下記の保険です。

  • ・火災保険(破損・汚損が補償対象に含まれるもの)
  • ・賃貸保険(内装や家具が補償対象となっているもの)



火災保険(破損・汚損が補償対象に含まれるもの)



通常の火災保険ではなく、近年オプションとして通常損耗のような破損・汚損や経年劣化にも対応している商品が出てきています。

一概に保険といってもその商品を販売している保険会社によって補償内容は様々。

保険の契約前には、ペットによる破損・汚損(床や壁のひっかき傷など)が対象になっているのかを事前に確認してみましょう。



賃貸保険(内装や家具が補償対象となっているもの)



賃貸保険とは、内装や家具を補償対象としている保険のことです。

この保険に加入していると、ペットによる破損や汚損が発生したときの原状回復費用を補填することができる場合もあります。

保険会社によっては、壁や床だけでなく家具・家電、電子機器、本など家財全般を補償対象としているところも

ただ、すべての保険会社が適応可能となるわけではないので、こちらもまた事前に確認しておく必要があるでしょう。


  ペット関連で保険適応となるケース



ペットによる破損・汚損で火災保険が使える可能性があるのは、下記のようなケースです。


ペットによって火災が発生してしまった場合



ペットによって予期せぬ火災が発生してしまった場合、火災保険で補償される可能性があります。


例|
・ペットがガスコンロやIH調理器等のスイッチに触れたことで点火し、火災が発生して破損した
・電化製品のコードをペットが噛んでしまい、ショートして火災が発生した
・室内の電化製品にペットが尿をかけてしまい、トラッキング火災が発生した

※トラッキング火災・・・溜まったホコリに湿気を含んだことで通電して火災が起こること


上記の例を要約すると、ペット・小動物・害虫などが原因で火災が起こってしまった場合には、火災保険で補償される可能性がある、ということですね。


ペットが近隣の方(他人)やその人所有物に損害を与えてしまった場合



ペットが近隣の方(他人)やその所有物に損害を与えてしまった場合、火災保険【個人賠償責任特約】を契約していると、補償対象となる可能性があります。


例|
・ペットが散歩中に他人のカバンに嚙みついてしまい傷を付けてしまった
・ペットが通行人に向かって吠えた又は飛びかかったことで驚いて転倒したことでケガをしてしまった


上記のような場合、飼主側に賠償責任が問われるため、個人賠償責任特約が適応される可能性が高いでしょう。




ペットと住んだお部屋の原状回復の範囲と費用相場

ペットとの生活は楽しいことだけではなく、予期せぬ事故や損害が発生することもあるでしょう。

ここでは、ペット飼育物件の原状回復の範囲とその費用相場について解説します



まず、前項までのおさらいも兼ねて、借主が負担する原状回復の範囲を下記の表にまとめました。


費用負担者具体的な範囲
借主・液体(飲み物やペットのおしっこ)をこぼしてしまってできたシミやカビ
・ペットが引っ搔いて傷を付けてしまった壁や床の損傷またはペット臭
・ペットが出入りするために開けていた窓から入った雨によるシミや色落ち
借主以外(不動産屋・オーナー・大家)・経年劣化による汚れ(フローリングの色褪せや剥がれなど)
・入居以前からあった傷や汚れ
・雨漏りや日照りによってできたカビやシミ(建物の劣化によるもの)

経年劣化のような自然に暮らしていてできた傷や汚れに関しては、借主が負担しなくてもよい範囲となります。

そして、ペットによる損傷・汚損に関しては、基本的に借主負担となることを覚えておきましょう。


しかし、ペットが原因の損傷・汚損であったとしても必ず借主負担となるわけではなく、経年劣化と認められた場合にはすべてが借主負担であるとは言い切れません。

経年劣化によるものであるかどうかは、オーナーや大家さんとの交渉の余地があるでしょう。



原状回復の費用相場



費用詳細相場
フローリングの張替え費用1㎡あたり8,000円~1万5,000円ほど
壁紙の張替え費用1㎡あたり800円~1,000円ほど
柱の修繕費用1本あたり1万円~6万円ほど
消臭(脱臭)費用3万円~20万円ほど

※あくまでも目安の料金です。汚染度合や臭気の程度によって変動します。

ペット飼育可物件の現状回復に掛かる費用は、1Kでおおよそ5万円~30万円ほどです。

お部屋の状況によって金額の変動はあるものの、目安としては上記の金額が相場となります。

また、消臭費用に関しては臭いの強さによってかなり高額になる可能性もありますので、注意が必要ですね。




現状回復費用を少しでも減らす方法

仕方がないこととはいえ、ペットによる損傷・汚損の原状回復費用は決して安いものだとは言えません。

引っ越しなど退去時には他の費用も掛かってきますので、少しでも出費は押さえたいところです。


ここで、原状回復費用を減らす方法としておすすめするのは、入居時と退去時に2つの対策をしておくことです。


①入居前・・・〇ペット用のコーティング剤やフロアマットを敷いておき、傷や汚れを防止する
       〇こまめにペットをお風呂に入れたり、トイレシートなどを頻繁に交換して臭い対策

②退去時・・・〇生活していて損傷や汚れがあると感じられたとき、早めにハウスクリーニングを利用して綺麗な状態を保っておく



これらの対策を事前に行っておくことで、原状回復に掛かる費用を少しでも減らすことができるでしょう。

気付いたときになるべく早くから対策をしておくことがおすすめです。



また、もし不動産屋やオーナー(大家)から高額な原状回復費を請求された場合、自分で業者を探すことも費用削減に繋がる可能性があります。

特殊清掃業者などの専門業者であれば金額についての交渉も比較的しやすいでしょう。




ただし、特殊清掃業者の中にも悪質な手法をとる業者もいますので、注意が必要です。

プロの見極め方法は下記の記事にて詳しく解説しておりますので、よければご参照くださいませ。


関連記事:悪徳業者に騙されないで!!特殊清掃清掃のプロを見極める方法とは?


まとめ:ペットによる原状回復費用は対策をしつつ、保険適応範囲かを事前に確認しておこう!

本記事では、ペット飼育OKな物件の原状回復費用は保険適応されるのか、また自己負担になる範囲・費用相場を解説しました。

内容まとめ

・ペット飼育可物件の原状回復の基本知識を解説
・ペットによる破損や汚損で使える保険は場合によってはある
・火災保険や賃貸保険がペットの原状回復費に使える可能性がある
・個人賠償責任特約に加入しておくのもおすすめ
・ペットと住んだお部屋の原状回復の範囲を紹介
・費用相場は1kでおおよそ5万円~30万円ほど
・入居前と退去前に対策を行って少しでも原状回復費を減らしておくことがおすすめ


ペット飼育可物件では、退去時に原状回復費が必ずと言っていいほど必要となることがほとんどです。

保険や対策を知識として知っておくだけでも、その後の対策が取りやすいと思います。

本記事の内容が、ペットと暮らすお家の原状回復費用でお悩みの方のお力になれれば幸いです。



クリーンメイトは2,000件以上の実績を誇りながらも、やり直し・クレーム等は現在まで一度もありません。

作業にあたるスタッフは、感染予防の知識や汚染箇所洗浄の経験を積んだスタッフばかり。

関西エリア一円で特殊清掃、遺品整理、生前整理およびリサイクル品回収・買取、ゴミ屋敷片付け、法人向けサービスなども行っています。

また、関東・東海エリアやその他エリアにも対応可能です。


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24時間年中無休対応(相談・お見積り無料)となっており、お電話以外にも、問い合わせフォーム(メール)やLINEからも可能ですので、お気軽にお問合せくださいませ。



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